こんにちは。
いつもありがとうございます!
沖縄片麻痺失語症専門院てぃーぐすいです。
「言葉が出ない」
その一言を抱えて、どれだけの時間を過ごしてきたでしょうか。
言葉を出したいのに出せない。出せないから、諦める。失語症のご本人も、そばで見ているご家族も、どれだけ苦しいでしょうか。
私はこの仕事をしながら、その苦しさに何度も触れてきました。だからこそ、今日はひとつのことをお伝えしたくて、この記事を書いています。
諦めるのは、まだ早い。
回復の瞬間は、突然やってくるように見える
この仕事をしていて、忘れられない瞬間があります。
麻痺していた手が、ふと動いた瞬間。長い間出てこなかった言葉が、ぽろっとこぼれた瞬間。
足が動いたり、言葉が出たことにご本人やご家族が気づいたとき、その場が感動的な雰囲気に包まれることがあります。ご本人の顔が変わります。ご家族の目に涙が浮かぶこともあります。私自身も、正直、胸がいっぱいになります。
でも、実際のところ、大半の場面では私しか気づいていません。
「〇〇さん、足動いているの気がつきましたか?」 「え?そうなの?」
ご本人は、ピンときていないリアクションが多いです。何ヶ月も、何年も動いていなかった筋肉が動き始める。その瞬間を、ご自身で感じ取るのは、なかなか難しいことなのです。
だから、兆しが見えた瞬間、私は一人で勝手に感動しています。心の中で「来た」と思いながら、ご本人に気づかれないようにしているつもりですが、顔に出ているかもしれません。
回復の瞬間は、ドラマのように劇的に見えます。でも、その瞬間に至るまでには、必ず「前段」があります。たくさんのセッションがあって、たくさんの「もう少し」があって、その積み重ねの上にやってくる。
突然ではないのです。
回復の前には、「兆し」がある
長年この仕事をしていて、確信していることがあります。
回復する前には、多くの場合、小さな変化があります。
体の緊張が、ほんの少しやわらかくなる。呼吸が、少し深くなる。目の動きが、少し変わる。声のトーンが、微妙に変わる。
周りが気づかないほど小さな変化です。ご本人でさえ、気づいていないことがほとんどです。でも、その変化は確かにそこにあります。
指がピクッと動く。声が少しだけ出る。体の反応が変わってきた気がする。
そんな小さな変化を感じたとき、「気のせいかな」と思わないでください。それは、兆しかもしれません。
ご家族の方へ。毎日そばにいるあなたが「なんか違う気がする」と感じたなら、それはとても大切な観察です。ぜひ聞かせてください。小さな兆しを、一緒に拾っていきたいのです。
体が変わると、言葉が変わることがある
てぃーぐすいで失語症の方と関わっていると、こんなことが起こることがあります。
麻痺した手や足が動きやすくなっていくにつれて、言葉も少しずつ出やすくなってくる方がいます。
なぜでしょう。
脳は、つながっています。体の動きをとり戻そうとする働きが、言葉をつかさどる部分にも、影響を与えていくと考えられています。「言葉のリハビリ」と「体のリハビリ」を別々に考えなくていい。体が動き始めると、言葉も動き始める方がいる。そんな瞬間に、私たちは何度も立ち会ってきました。
沖縄では、「てぃーぐすい」という言葉があります。「手当て」という意味です。手で触れることが、薬になる。その言葉を屋号にしているのは、体全体に関わることを大切にしているからです。
体が変わると、心が変わる。心が変わると、体が変わる。
不思議なことがあります。
体の動きが少しよくなると、表情が明るくなる方がいます。言葉が出やすくなると、目に力が戻ってくることがあります。逆もあります。気持ちが前向きになったとき、体の動きが変わることがある。
体と心は、別々ではありません。この2つは、いつもお互いに影響し合っています。
だから、てぃーぐすいでは、体だけを見ているわけではありません。その方の表情、声のトーン、来たときの雰囲気。そういうものも、大切なサインとして受け取っています。
「今日はなんか体が重い」という日も、あっていいんです。そういう日も含めて、全部、その人の回復のプロセスです。
回復には、時間が必要です
てぃーぐすいで変化を感じていただいた方に、共通していることがあります。
時間をかけられること。焦らず続けられること。少しずつ積み重ねられること。
「早く治したい」という気持ちは、当然です。でも、体の回復には、体のペースがあります。
沖縄の海は、毎日穏やかに見えます。でも、砂浜の形は少しずつ変わり続けています。波が、毎日少しずつ形を変えているからです。リハビリも、そういうものだと思っています。
目に見えない日も、体は変わり続けているかもしれない。「変わっていない」のではなく、「変わる前」なのかもしれない。
焦って無理をした日より、無理せず丁寧に続けた日のほうが、体はちゃんと応えてくれることがあります。今日できたことが、明日の土台になる。
小さな変化を、見逃したくない
「できない」ことより、「変わり始めている」部分を見る。
これが、てぃーぐすいがリハビリで大切にしていることのひとつです。
「まだ動かない」ではなく、「昨日より少し柔らかくなっている」。「まだ言葉が出ない」ではなく、「声が少し出やすくなっている」。その小さな変化に気づくことが、次の一歩につながることがあります。
毎日一緒にいると、変化に気づきにくくなることがあります。でも、少し前の写真を見たとき、「あれ、顔つきが違う」と感じることはないでしょうか。変化は、いつも静かにやってきます。
てぃーぐすいは、その静かな変化を丁寧に拾い続けます。そして、その人の可能性を信じ続けます。
あなたの回復の物語を、一緒に積み重ねていきましょう
回復は、一気に起きるものではありません。
小さな変化が積み重なって、ある日「気づいたら変わっていた」になることがあります。それが、体の回復の本当の姿だと思っています。
だから、「今日は何も変わらなかった」と思う日も、無駄ではありません。その日も、体の中では何かが動いているかもしれない。
「言葉の出しやすさがずっと変わっていない」そう感じて、てぃーぐすいにお越しになった方も、体のアプローチから変わっていく方がいます。
てぃーぐすいは、諦めません。
その兆しを、一緒に見つけにいきましょう。
本日も読んでいただき、ありがとうございます。
てぃーぐすいのお問い合わせはこちら










